受験資格が変更に?未経験から介護福祉士を目指すには
- 2016-3-14
- 転職マニュアル
介護の仕事に本腰を入れたいと考えたとき、まず取得を考えるのが介護福祉士の資格です。
高齢化のすすむ日本では、介護のプロであるこの国家資格はニーズが高く、国が今後増員を目指す動きもあり、就職・転職の際の強い武器といえるでしょう。
「介護業界には興味があるけれどまったくの未経験・・・でも資格をとって働きたい」
じつはそんな思いを持つ方々にも、介護福祉士への道は開かれています。
現在のところ、そのルートは3つ。かかる時間や費用は異なりますが、ゼロからのスタートで介護福祉士資格の取得を目指すことができます。
今回は、未経験から介護福祉士になるための方法と、最新の改正内容について、詳しく説明していきましょう。
介護福祉士 資格取得の3つのルート
1) 実務経験ルート
もっともスタンダードな取得ルートです。
ただし未経験の場合は、すぐに受験資格は得られません。介護福祉士の国家試験を受験するためには、介護現場での実務経験3年以上が必要になります。
(2016年度受験からは介護職員実務者研修★1の修了も必須)
国家試験では、筆記試験は必須のため、対策が必要。実技試験については、介護職員実務者研修もしくは介護技術講習★2を受ければ免除となります。
時間はかかりますが、現場で働きながら資格取得が目指せ、費用面などで有利なルートです。
2) 福祉系高校ルート
福祉系高校、または福祉系の特例高校を卒業して、国家試験を受けるルートです。
●福祉系高校の場合
平成21年度以降に入学した者は、卒業して筆記試験。
平成20年度以前に入学した者は、卒業後に筆記試験+実技試験(または介護技術講習)。
●福祉系特例高校の場合
平成21年度以降に入学した者は、卒業後に実務経験9ヶ月+筆記試験+実技試験(または介護技術講習)。
平成20年度以前に入学した者は、卒業後に筆記試験+実技試験(または介護技術講習)。
3) 養成施設ルート
3つのうち、最も早く資格が取得できるルートです。
他の2つと違うポイントは、国家試験を受験しなくても資格が取れること。
ただし、2022年度より国家試験が義務化の方針になっていますので、ゆくゆくは受験が必須となると思われます。
指定の介護福祉士養成施設を卒業することで、介護福祉士になれます。
(介護福祉士養成施設 ⇒ 厚生労働大臣指定の四年制大学・短期大学・専門学校など)
養成施設に通う期間は、
●高校の普通科を卒業 ⇒ 2年間
●福祉系大学・社会福祉士養成施設・保育士養成施設のいずれかを卒業 ⇒ 1年間
となっています。
※養成施設卒業生の今後について
■2015年度・2016年度の卒業生
これまでと同様、国家試験を受験せずに資格取得可。
■2017~2021年度の卒業生
受験の必要はあるが任意。不合格でも卒業後5年間は介
護福祉士として認定される。その間に試験に合格または 介護業務を継続していれば、6年目以降も資格が保持できる。
■2022年度以降の卒業生
国家試験が義務化される。
★1介護職員実務者研修とは
介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)の上級にあたる研修です。
現在は廃止されたヘルパー1級、介護職員基礎研修の内容を含んでいます。
修了すれば、実務経験なしでもサービス提供責任者となれます。
研修期間は6か月と長く、スクーリングが必須ですが、働きながら通う人も多く、スクール側も受講しやすいよう配慮しているようです。
受講料は無資格・未経験で15万円前後。持っている資格によって受講時間が免除されるため、かなりの幅があります。
★2介護技術講習とは
介護福祉士の受験者を対象とした4日間の講習です。
修了することで、介護福祉士の資格試験における実技試験が免除されます。
※介護技術講習は2015年度で終了しました。実技試験免除は2016年1月の試験までとなります。以降は実務者研修の受講をおすすめします。
介護福祉士の受験資格が見直しに
介護福祉士の資格取得のための国家試験は、毎年1月に筆記試験、3月に実技試験が行われています。
2016年度(2017年1月の試験)より、これまでの受験資格「実務経験3年以上」に加え、「介護福祉士実務者研修」の受講も義務化されることになりました(実務経験ルートの場合)。
したがって、無資格者でも実務経験が3年あれば介護福祉士試験が受けられる、というこれまでの制度は、2016年1月の試験までということになりますので、注意が必要です。
実務者研修は、未経験でも受講できるので、まずは修了しておくことが望ましいでしょう。
すすむ高齢化社会において、今後ますます重要なポジションを占めていくとみなされている介護福祉士。近年、認定介護福祉士というワンランク上の資格も創設されることが決まっています。
介護関係の資格は変更や改正を繰り返しながら、これからもどんどん発展していくでしょう。
その変化に取り残されないよう、常にアンテナを張り巡らせておくことが大切ですね。