介護職のお悩みトップ!?腰痛対策と予防のポイント

「介護の仕事に就いている人の実に3人に1人が、深刻な腰痛を抱えている」
「腰痛は長期にわたり、5年以上悩んでいる人が最も多い」
全国の介護職員組合で行った調査で、こんな結果がまとまりました。
介護の仕事は、高齢者を抱えて移動させたり、中腰の作業が多く、どうしても腰に負担がかかります。その結果、ぎっくり腰を繰り返したり、慢性的な腰の痛みをごまかしながら作業をしている人は少なくありません。

介護職の退職理由にも多いといわれる腰痛。
ここでは介護の現場でよくみられる腰痛の原因を探り、その予防と対策についてみていきたいと思います。

腰を痛めやすいのはこんなとき

労災としての腰痛は、全体の約2割を「社会福祉施設」が占めているのをご存知でしたか。
その大半が移乗介護によるものだといいます。
また、入浴介助の場面で、長時間前かがみの姿勢で作業をし、急に動きを変えたときに痛めるのもよくあること。
おむつ交換や身の回りの世話をするのに、ベッドや椅子の高齢者に対し、中腰の姿勢で介助するのも大きな要因となっているようです。

介護職につきものの腰痛。どうしたら防ぐことができるでしょうか。

移乗のときはここに注意!

実は、日本で主流の移動や移乗介助の方法は、イギリスなど欧米では、非常に危険を伴うやり方とされているそうです。
そこで、腰に負担のかからない楽な移乗のコツをご紹介しましょう。

そのほかの腰痛になりやすい介護場面

移乗のほかにも、介助の際についしてしまいがちな姿勢や動きが、腰痛を招きます。
よく見られる場面と、その対策をみてみましょう。

●ベッドサイドでの介助

寝ている利用者の介助では、ベッド横に立ち、利用者に向かってかがみこむ姿勢をとりがちです。腰痛の一番の原因は、この前かがみの姿勢。
まずはベッドを高く調節しましょう。そして、利用者を介護者のほうに引き寄せ、できるだけ近づけます。これでかなり、前かがみになることを防げます。

●片膝をベッドに乗せての介助

同じく寝ている利用者を介助するとき、ベッドに片膝を乗せておおいかぶさるような姿勢をとることがあります。このとき腰を浮かせたままだと、脊椎に負担がかかり腰痛につながります。
対策としては、ベッドに乗せた方の足のかかとにお尻がつくくらい、腰を落とすこと。
こうすれば中腰でなくなり、腰への負担が軽減できます。

●口腔ケアなどの介助

口腔ケアでは、集中するあまり、つい身を乗り出して前屈みになったり、腰をひねったままの姿勢でケアしてしまいがち。時間もかかるため、気づかないうちに脊椎にはかなりの負担が。
目線を同じ高さで合わせ、まっすぐ前に向いた姿勢で行うようにしましょう。

腰痛対策に役立つグッズ

腰痛ベルト

腰痛を和らげるのに欠かせないアイテムといえば、腰痛ベルト。
背骨の理想的なS字カーブを保ち、固定してくれるので、再発の予防にもなります。さまざまな素材や形状の中から、自分に合ったベルトを選ぶには、整形外科などで相談するのがおすすめ。

移乗シート

身体を持ち上げることなく、水平移動で移乗させるためのシート。二人がかりで移乗していたような場合や、体の大きな利用者でも、抱きかかえることなく楽に水平移乗ができます。

多機能型車椅子

福祉器具はうまく使えば、利用者だけでなく介護者にとってもメリットが大きいもの。
たとえば水平移乗が楽にできるよう、手すりやフットレストが外れるタイプの多機能型車椅子を使うのも、移乗が招く腰痛の予防に役立ちます。

介護業界において、年々深刻さを増している腰痛の問題。最近では、腰痛休暇を設けたり、介護用リフトを導入して腰痛対策に積極的に取り組む施設も増えています。
しかし、やはり一番大切なのは、介護者自身がその原因を知り、予防につとめること。
自分の体に関心を持ち、より良い介護を長く提供していけるよう心がけたいものですね。

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